硬水の効果

本格料理での硬水の活用

 

 

軟水でご飯を炊くとおいしいとされていますが、硬水も料理で活用されています。それはブイヨンです。普段は市販のブイヨンを使うのが便利ですが、ヨーロッパでは家庭でも本格的なブイヨンを作るのが一般的となっていて、その際においしいブイヨンを作るのに重要なのが水だとされているのです。

 

これまで話してきたように日本の水とヨーロッパの水には違いがあります。日本の軟水は和食には適しているのですが、ヨーロッパの水は硬水で、ここでは本格ブイヨンのためにマグネシウム、カルシウムの含有率が高い硬水が実に効果的となるわけです。

 

本格的ブイヨンの基本は鶏ガラで作るブイヨン・ド・ヴォライユなのですが、これはどんな料理にも相性がいいので初心者にもお勧めのブイヨンとなります。はじめに鶏ガラとモミジを下茹でして血抜きと脂肪落としを済ませ、玉ネギなどの香味野菜はザク切りにします。

 

ここで鍋に硬水を入れて鶏ガラとモミジを強火で加熱していきます。硬水が沸騰してきたらアクや脂も結構出てきますが、これはしっかり取ってください。アクが無くなったら香味野菜も加えて更に煮込み、再び野菜のアクも取ってください。コショウやブーケガルニなどを加え、ここから弱火にして2~3時間ほどじっくり煮込んでいきます。

 

後は時々鍋の中身を確認して水分が減っていたら硬水を随時足しておけばOKです。煮込みが終われば濾して完成です。市販とは一味違ったコクはこうして硬水を使うことで簡単にできます。